サンプルケース

相続財産法人名義となっている不動産を売買しました。

登記に必要な書類

売主が死亡し相続人がいない場合(相続財産管理人)

  • ※印鑑証明書は、裁判所書記官が作成したものを使用する場合は3ヶ月以内である必要はありません。
  • ※所有権移転登記のみの必要書類を記載しています。
    その他の登記、例えば、売主の住所変更、抵当権抹消や買主の抵当権設定登記がある場合は、その登記に応じて別途書類が必要になります。詳しくは登記に必要な書類等一覧をご覧ください。

相続財産管理人の資格・権限

相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人となり、相続財産の管理人として相続財産管理人が裁判所により選任されます。相続財産法人名義の不動産を購入しようとする場合、売買契約の相手方はこの相続財産管理人となります。相続財産管理人の権限は、民法103条で定める保存行為・目的物又は権利の性質を変えない範囲内での利用行為や改良行為に限定されており、権限外行為を行うには家庭裁判所の許可が必要となります。そして、不動産の売却は権限外行為であるため家庭裁判所の許可が必要となります。

相続財産管理人の主たる職務は、相続人の捜索と相続財産の管理・清算ですが、相続財産管理人が相続財産法人名義の不動産を売却するのは、相続財産の清算の職務を行う場面です。なお、本ケースのように、相続財産管理人が不動産を任意売却するのは、被相続人が生前に負った債務が残っていて、相続財産管理人が清算事務を完了させるために不動産を任意売却する場合などが典型的な例です。

相続財産管理人を確認する方法としては、官報公告のバックナンバーを調査する方法や法務局で不動産登記申請書およびその添付書類を閲覧する方法があるものと思われます。なお、不動産登記申請書およびその添付書類を閲覧するためには、利害関係があることが必要です。

売買契約締結が可能となる時期

相続財産管理人制度では、合計3回の公告をします。1回目が家庭裁判所による「相続財産管理人選任の公告」です。2回目が相続財産管理人による「すべての相続債権者および受遺者に対するその請求申出の公告」で、この広告は1回目の公告から2ヶ月経過後にする必要があります。そして、3回目が家庭裁判所による「相続人捜索の公告」で、この広告は2回目の公告から2ヶ月経過後にする必要があり、かつ、6ヶ月以上公告しなければならないとされています。相続財産管理人はこれらの期間経過後でなければ任意売却行為に着手することはできませんので、売買契約締結もこれら期間の経過後ということになります。

売買契約の締結者とその契約内容の確認

売買契約の締結者が相続財産管理人である場合には、相続財産管理人の資格を確認することと、契約内容が裁判所の許可審判の内容と合致しているかを確認しなければなりません。相続財産管理人の資格は、家庭裁判所の選任審判書により確認します。また、売却許可の審判をうけるためには、買受人の住所氏名および売却金額等が特定されている必要があるため、許可審判の後で売主および買主の合意により契約の内容を任意に変更することができません。なお、裁判所の許可を受けずに行った相続財産管理人の売却行為は無権代理行為となります。

相続人不存在と相続財産管理人

民法951条は、「相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。」と定めています。相続人のあることが明らかでない場合とは、戸籍簿上法定相続人が全く存在しないと考えられる場合と相続人は存在するが相続の放棄、相続欠格、廃除等により相続人が存在しなくなった場合です。これに対して、相続人は存在するがその所在が不明な場合は不在者財産管理人制度を利用し、相続人は存在するがその生死が不明な場合は失踪宣告制度を利用します。

添付書類

① 家庭裁判所の相続財産管理人選任の審判書

相続財産管理人の資格を証明する書面として必要です。作成後3カ月以内のものが必要となります。

② 家庭裁判所の権限外行為の許可書

この家庭裁判所の許可書を添付すれば、登記識別情報(登記済権利証)の添付は必要ありません。

③ 印鑑証明書

相続財産管理人の印鑑証明書として、次のいずれか1つを添付します。なお、(イ)を添付する場合は3か月以内のものである必要はありません。

  • (ア)住所地の市区町村長が作成した印鑑証明書(3か月以内のもの)
  • (イ)裁判所書記官が作成した印鑑証明書
  • (ウ)登記所が作成した印鑑証明書(3か月以内のもの)

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