建物の転借人が借地権付きで建物を取得する場合の売買

サンプルケース

建物の転借人が買主の場合において、その建物を借家権が付いたままで買受けると共に、
転借人が賃貸人の地位の譲渡も受けました。
なお、その建物は売主を賃借人とする借地上に建っており借地権も一緒に取得しました。

登記に必要な書類等

※所有権移転登記のみの必要書類を記載しています。
その他の登記、例えば、売主の住所変更、抵当権抹消や買主の抵当権設定登記がある場合は、その登記に応じて別途書類が必要になります。詳しくは登記に必要な書類等一覧をご覧ください。

借地権が賃借権のケース

借家権の混同による消滅について

本ケースの売買契約の当事者は、建物の所有者兼賃貸人(売主)と建物の転借人(買主)ですが、転借人は賃貸建物の所有権と共に賃貸人としての地位も取得しますので、借家権の貸主としての地位と借主としての地位が同一人に帰属することになります。民法上、同一物についての権利が同一人に帰属した場合は、当該権利は混同により消滅する旨規定されていますが、本ケースにおいては混同消滅の例外である「当該権利が第三者の権利の目的となっている場合」に該当する(本ケースでは建物賃借人の借家権が第三者の権利に該当する)ので借家権は消滅しないこととなります。そして、賃借人は、賃料を新たな建物の賃貸人である転借人に支払い、転借人は、賃借人に転借料を支払うことになります(実際には、それぞれ相殺し、差額を支払うことになると思われます)。

借地権、建物所有権および賃貸借関係についての確認事項

①  借地権の取得
本ケースでは借地権付きで建物を取得していますので、当該借地権が賃借権の場合には、借地権の譲渡につき、土地の所有者から承諾を得られているかを確認する必要があります。
②  建物所有権の取得
通常の建物の売買と同様に、登記に関しては、建物の所有権移転登記を行います。
③  借家人との賃貸借関係
借家人との関係では、転借人が建物を取得したことで賃貸人の地位の承継があったことを、借家人に通知する必要があります。また、借家人が旧賃貸人に差し入れている敷金や保証金の引継ぎや賃料の支払方法の変更手続等が必要となる場合もありますので確認が必要です。

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