財産管理等委任契約

プロローグ

身体能力が低下した場合(寝たきり、視力の低下、手足の不自由など)に、
契約者様の代理人として、財産の管理や医療・介護サービスの手続き等を行います。

概要

財産管理等委任契約は、判断能力は十分にあるが身体能力が低下してしまった方の「財産管理」と「医療・介護関係の手続き」を代理することを目的とした委任契約です。これらの代理行為は、手続きの度に委任状を作成すれば、あえて財産管理等委任契約を締結しなくても行うことができます。しかし、その都度委任状を作成するのは非常に煩雑ですし、身体能力が低下したご本人様や代理人(当事務所や親族の方など)にとっても負担が大きいことです。管理する財産の範囲と委任事項を指定し、その範囲内で包括的に委任契約を結ぶことで、煩雑さから解放されるというメリットがあります。また、財産管理等委任契約書を公正証書で作成することで、銀行や医療機関等の第三者に対して、ご本人様からの委任の意思を客観的に証明できるという大きいメリットがあります。

契約の組み合わせ

財産管理等委任契約は任意後見契約の補完的契約なので、財産管理等委任契約だけを単独で契約することはできず、任意後見契約とセットで契約していただく必要があります。

対象となる方(契約の委任者)

身寄りがない方。
親族の方が遠方に住んでいる、または、お仕事が忙しいなどの理由で頻繁に訪問することが難しい場合や、親族と疎遠になっている場合などで、将来自分の身体的能力の低下に不安を感じていらっしゃる方。
すでに寝たきりの方、視力が低下し文字の読み書きが難しい方、聴力が低下し会話することが難しい方、足腰が弱っていて外出 するのが難しい方、病院や施設に入っているため外出が困難で財産管理が円滑に行えない方。

※契約時に判断能力が十分である方に限ります。

誰に頼めばいいのか(契約の受任者)

一定の範囲内で財産管理を任せることになりますので、親族や友人に委任する場合は、その方が本当に信頼できる人であるかが最も重要になります。財産管理における横領事件の95%が親族が受任者の場合となっています。しかし、大切な財産は身内の方に任せたいというのが自然な感情だとも言えますし、この財産管理等委任契約はご本人様(委任者)の判断能力が十分ある状態での契約ですので、ご本人様ご自身で受任者を監督することも可能でしょう。また、その受任者が事務処理を遂行できる能力と時間があることも必要となります。
当事務所とご契約いただける場合は、司法書士業界内で運営されている監督制度を活用することができます。具体的には、当事務所は「公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート」という公益法人に細部まで監督された状態でご本人様(委任者)の財産を管理していくことになります。司法書士による横領事件が極めて少ないのは、この制度によるところも大きいのではないかと思います。さらに、当事務所と財産管理等委任契約を締結していただく場合は、公正証書にてご契約いただきますので、公証人という第三者を関与させることができ、安全性は一層高くなります。

契約内容

当事務所にご依頼をいただく場合、下記事項から委任事項をご選択いただきます。下記以外の委任事項をご希望される場合は、別途協議により定めることになります。
「財産管理」

「定期面談」および「財産管理」

・契約者様の生活状況等の確認のための毎月1回の訪問による面談 
・管理対象財産の保全、管理(管理対象財産は、契約時に指定していただきます。)
・預貯金の引き出し、預入、振り込み等の手続き
・貸金庫取引
・定期収入の受領や手続き(家賃、地代、年金、障害手当金、社会保障給付金等)
・定期支出の支払いや手続き(家賃、地代、公共料金、保険料、ローン返済、税金等)
・生活費の送金
・日常生活に関する取引
・郵便物の管理
・その他上記に付帯する事務
※財産管理等委任契約には、財産の売却等の処分事項は含まれません。

「医療・介護関係の手続き」

介護・福祉サービスの利用契約の締結、変更、解除
入院から退院までの事務手続き
入院を伴わない医療契約の締結

※施設入所契約手続きについては、通常契約内容には含んでおりません。

報酬

※1当事務所が管理していた財産を相続人等に引き渡す事務報酬です。
相続人全員と別途遺産承継業務委託契約を締結する場合は、当該報酬は、遺産承継業務報酬に含まれるものとし、無償となります。
※2財産管理等委任契約書は公正証書にて作成します。別途公正証書作成手数料(約2~3万円)がかかります。

契約の開始

契約を締結してもすぐには開始しません。契約者様がご自身の身体能力の低下を感じ財産管理を始めてほしいと希望したときから開始します。なお、契約締結時に既に身体能力が低下していて財産管理の必要がある場合は、契約と同時に開始します。

契約の解除

契約者様はいつでも契約を解除することができます。一方、当事務所からは正当な理由がない限り、解除することはできません。なお、見守り契約または任意後見契約が解除された場合は、財産管理等委任契約は附随して解除されます。

契約の終了

契約者様または受任者(当事務所)が死亡または破産したとき、および、契約者様または受任者(当事務所)が後見開始、保佐開始、補助開始の審判を受けたときに財産管理等委任契約は終了します。また、見守り契約または任意後見契約が解除されたときには財産管理等委任契約も解除により終了します。さらに、任意後見監督人が家庭裁判所により選任され任意後見契約が開始すると、財産管理等委任契約は終了します。

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